荻清隆 心の相談室

西日本心理療法センター 荻清隆(おぎ きよたか)

【住所】〒815-0036 福岡市南区筑紫丘1丁目12-1-519
【問合】TEL/092-561-4711 携帯/080-5249-8554
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  • 1930年/久留米生まれ。
  • 1973年/西日本心理療法センターを開設。催眠・内観・交流分析・ゲシュタルトなどの心理療法により、1500以上もの臨床を手掛けている。
  • 1975年/同センター内にオギNT研究所を併設。独自の心理療法を開発する一方、多くの企業での企業内教育や市民講座や講演活動なども行っている。
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荻先生の診療日誌

【著者】荻清隆 【頁数】178P 【体裁】B6版
1991年1月~1995年7月まで、「GANSO求人ふくおか」に連載された「荻先生のメンタルヘルス」を再編集した「荻先生の診療日記」を販売しています。 便箋に、住所・氏名・年齢・性別・連絡先を記入の上、1,000円分の切手を同封し下記住所までお送りください。お申し込み郵便到着後数日中に発送致します。

〒810-0023
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パインヒル警固3階
(株)アビリティ・キュー内
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5月病の季節になって

毎年この時期になると、「会社に行く気がしない。」「何となく身体がだるい。」「何にも興味が持てない。」「頭がボーっとしている。」などの症状で助けて欲しいという相談が増えます。

これは就職したが自分の思ったような仕事ではなかった不満や、職場の人間関係がうまくいかない、結婚した相手が交際中とは全く性格が違っていた、など環境にうまく適応出来ないことからおきる「適応障害=ストレス性障害」です。また、連休中に遊び疲れて無気力になる場合もあります。

さて、昨年5月に相談に訪れたAさん(27才の独身男性)についてお話しましょう。以下はカウンセリングの様子です。

私 あなたは今どんなことで困っていますか?

A  私は大学を卒業して、コンピュータのソフト開発会社に就職しました。
4月までに新しいソフトを開発するため、毎日残業して仕事に全力を注ぎ込んでいました。
ところが1週間前に上司から、仕事のミスを指摘された上に「お前は人事部から優秀な人材と言われて俺がもらい受けたが、期待ハズレだったな!」と言われて、何か心の中がガクッときました。

仕事を終えて自宅に戻って食事を取ろうとしても全く食欲が無く、仕方なく酒を浴びるほど飲んで床についたのですが一睡も出来ませんでした。翌朝会社に行こうと思い服を着ようとしましたが、着替えることができませんでした。

そこで、会社に病欠の連絡をして、病院に行って診察を受けたら「うつ病」と言われて、抗うつ剤と睡眠薬を処方されました。しかし薬を飲んでも会社に行く気がしないのです。早く会社に行かないと大変な事になります。何とかして会社に行けるようにしてください。

私  はい、わかりました。大丈夫ですよ!あなたはうつ病ではないですよ。
あなたは仕事による強いストレスが原因のストレス障害だから病気ではないですよ。ところで今の話の中で「心の中でガクッときた」と言われましたがそのガクッときたのは何ですか?

A わかりません。何か心の中の力のようなものがストンと抜け落ちた気がしました。

私 そうですか。それじゃそのストンと抜け落ちたものを心の中に戻すことができたら、気力が湧いてきて会社に行くことが出来ると思いますよ。あなたは就職する時、どんな気持ちでしたか?

A 私は中学の頃からパソコンが趣味で、毎日学校から帰ったらすぐにパソコンで遊んでいました。
高校の頃には色々なソフトを作っては、科学の先生から「お前はすごいなあ」と言われて得意になっていました。そして大学も情報処理学科に入り成績も良く、毎日が楽しかったです。就職する時も俺がこの会社を大きくしてやると自信満々でした。でももうダメですね。

私 いいえ、大丈夫ですよ!今のお話しから推察すると、ストンと抜け落ちたものは、心の中にあった「自信」ですね。自信さえ取り戻したらあなたは会社へ行けますよ!
しかし、今の会社でその上司の元では再び同じ事が起きる可能性が高いので退職した方が良いと思います。そしてしばらくのんびりとパソコンで遊んだり、ゲームセンターに行ったり、旅行に行ったり生活を楽しんでください。

抗うつ剤はドクターに相談して飲まないようにしてください。睡眠薬は眠れない時は飲んでも良いですよ。私の所には旅行に行く時以外は毎日来てください。2週間もすれば元気になるでしょう。これから催眠を行います。そして自己催眠ができるようにします。催眠はストレスを解消するのにとても役立ちますからね。

* この後、催眠に導入して、高校の科学の先生から褒められている様子や、友人とゲームをして楽しんでいる様子を見てもらいました。

そして私の所に来るたびに、「ああ顔色が良くなったねえ」「今日は良い感じだね。2週間も経てば元気になるよ」と声を掛けました。

1週間経った頃、「以前よりずいぶん明るくなったね。軽く運動しよう。そして友人達と集まって酒でも飲んで見たら」と行動を起こすよう促しました。

2週間後、彼が明るい顔をしてやって来て、「先生、大学の情報処理学科の友人と話をしていたら、友人も就職した会社が残業ばかりで、その残業代も払ってもらえないので会社を辞めたいと言い出し、それなら会社を辞めて皆んなで会社を作ろうという話になりました。今流行りのゲームを利用した「eコマース」の仕事です。なんだかえらく元気が出て来ました。」と話してくれました。

そして昨日、彼から電話がかかって来て「仕事は上手くいっています。自己催眠は夜寝る時に必ずやっています。催眠をするとぐっすり眠れ、とても安らぎます。毎日が楽しいです。」と言いました。

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